25年間社長をしてきた会社の業務縮小がきっかけでした。平成不況の中アパレル業界の先行きを見越し、そのほかの分野での自分の生活設計の転換を図る時期でもあるかなと考え、学生時代に取っていた行政書士の資格を生かすことを思いついたわけです。まあ、生きていくための選択ですね。

幸い会社をやっていた当時に親しくしていた社長仲間からの仕事の依頼が次々とありました。新しい事業のための許認可、会社設立、産廃、倉庫業関係手続、外国人を雇うための入管手続き等ビジネス上の身近な相談を次々受けるようになって徐々に軌道に乗ってきたわけです。もちろん開業してすぐは大変でした。初めは社長をしていた頃の収入とは比べ物になりませんでしたから。

それでも段々と仕事が増えていったのはやはり身近な人脈のお蔭でした。住まいは大田区ですが、かつて商売をやっていたのは中央区、生まれ育ったのは千代田でしたから、こちらで行政書士登録をして事務所を構えたことで親しい知り合いも多く仕事がやりやすかったですね。千代田は土地柄あらゆる業種の本社が多い所ですので当初は思いもよらなかったような仕事を受ける機会にも恵まれました。

平成１１年に入会してすぐにたまたま行政書士会千代田支部の総務の仕事を任されました。ほどなく総務部長がお辞めになりその職務を継ぎまして、その流れで１８年には千代田支部の支部長に就き、それから９年間支部長を務めました。就任当初は１８０人ほどの会員数でしたが支部長を退く頃には２倍以上の４００人になっていました。社長業をやっていたので人をまとめることには少しは慣れていましたが、ここまでやってこれたのは、やはり周りの人々に助けられたからですね。そういった意味で人脈に恵まれたと言えるでしょう。

地域に密着した仕事をしていると従来からの業務に加え近頃は遺言や相続、成年後見の相談も多く受けます。町会や老人会、高齢者施設での講演やセミナーなどを行うこともあります。現在区民後見人や生活支援員も任されてよりいっそう地域に根差した仕事をする機会が増えました。母が千代田区にある特別養護老人ホームにお世話になったこともあり、こういった形で地域の方々に恩返しできればと考えています。基本的に人が好きですね。人と関わり人の役に立つ業務に魅力を感じます。これからも地域に入り込んだこういった仕事をしていきたいし、気軽に相談できる存在でありたいと思っています。

行政書士になって一番よかったのはやはりいろいろな分野の人たちと出会えたことです。一つの仕事をやり続けているとどうしても世界が狭くなってしまいがちですが、この仕事を通して様々な職種、世代、人種の方たちと知り合え、そこから多くを学び刺激を受けました。そういう点が一番面白い所ではないでしょうか。

月並みですが国内外を問わず旅行は好きですね。一番最近の旅行ですか。昨日網代から帰ってきました(笑)。まあ、それは旅行というほどでもないですけど、国内では長野や北陸、金沢がいいですね。それから特にフランスにはよく行きます。大学を卒業してからパリⅣ大学通称名ソルボンヌ大学に留学していました。３年半パリに住んでいたのですが、パリは何度行っても飽きない大好きな街です。当時は仏文学を大学で学びながらアパレルの勉強をしていました。帰国後は某外語専門学校でフランス語を教えていたこともあったのですが、言語は使わないと退化しますね。語学は脳の活性化に良いですよ。支部長をやっていた頃は忙しくてなかなか長期の旅行には行けませんでしたが、これからは語学力を生かして趣味の旅行も楽しみたいです。

行政書士三田会は発足以来会員数を増やしていますが、実際に会の活動に出てくるのは限られたメンバーのようです。是非とももっと多くの会員に積極的に活動に参加して頂きたいと思います。特に若い会員にはこのような場を大いに利用して人脈を広げて三田会を盛りたてて頂きたい。私自身いろいろな人たちに助けられてここまで来ました。人と人との結びつきはどこでどう繋がるかわからないものです。多くの人と知り合い人脈を広げることで業務の幅も広がり人生そのものも豊かになっていくはずです。せっかく会員になったのですからこういう場を有意義に使ってください。